Ophthalmology

日常多く見られる結膜炎・角膜疾患から難治性のドライアイ、角膜潰瘍まで内科的治療だけでなく
外科的対処をしなければならない疾患まで幅広く対応しています。

目には物を見るという機能があり、動物が活発に活動するための重要な器官です。 また、アイコンタクトというように、目は人と動物を繋ぐ重要なコミュニケーションツールでもあります。
目の疾患は直接命に関わることは少ないものの、軽度の症状から重度のものまで日常的に多く見られ、その原因も様々です。また、様子を見ているうちに、急激に症状が悪化してしまう場合もあります。
動物たちの生活の質(QOL)を維持するために、健康な目であることはとても大切です。少しでも気になることがあれば、お早めにご相談ください。

  • 清水 悌二 しみず ていじ
    相模原プリモ動物医療センター第2病院
    学  歴
    岐阜大学農学部獣医学科卒業
    専門分野
    眼科
  • 岡部 知 おかべ さとし
    厚木プリモ動物病院 院長
    学  歴
    日本獣医畜産大学(現日本獣医生命科学大学)
    獣医畜産学部獣医学科卒業
    専門分野
    眼科

眼科診療の流れ

1 受付

<相模原プリモ動物医療センター第2病院>

診療は予約制となります。 直接受付にてご相談いただくか、お電話にてご予約をお願いいたします。

<厚木プリモ動物病院>

予約制ではございません。通常の診療時間内にご来院ください。
なお、担当獣医師は一般診療も行っていますので、診察の都合上お待ちいただく可能性がございます。あらかじめご了承ください

2 問診

発症日やその時の状況、ご自宅での行動の変化などを詳しくお伺いします。
できるだけ、動物の症状や状態を分かっている方がお連れいただくようお願いいたします。

3 視診

まずは動物に触らず、診察室に入ってくるまでの歩き方、診察室内での視線の方向、飼い主様とのアイコンタクトの有無などを観察します。
次に動物を正面から観察して左右の眼の位置や大きさの違いなどを観察します。

4 全身身体検査

眼の病気の中には、全身疾患の一症状として発現するものもありますので、眼だけではなく全身の身体検査も行います。
場合によっては血液検査やレントゲン検査、超音波検査などが必要になります。

検査

視覚機能検査

以下の目に関わる反射および反応などが正常であるかを調べる検査です。
<眩目反射>
強い光を当てた時に眼をつぶる反射です。眼球内の光の通り道(中間透光体)、網膜、視神経や顔面神経異常で低下します。
<威嚇瞬き反応>
眼の前に急に物が近づいた時に眼をつぶる反応です。眩目反射と似たような検査ですが、こちらは大脳を経由する反応のため、興奮している動物や幼弱な動物では反応しない場合があります。
<瞳孔の対光反射>
眼に光を当てた場合の瞳孔の動きを評価します。光を当てた眼の反応を直接反応、光を当てた側と反対の眼の瞳孔の反応を間接反応といいます。正常であればどちらも瞳孔の縮小が起こります。中間透光体、網膜、視神経、動眼神経および虹彩の異常で低下します。
<綿球落下試験>
眼の前にコットン球を落として、球を眼で追えるかどうかを判定します。

シルマー涙液検査

ろ紙片を瞼と眼の間に挟んで涙液量を測定します。通常1分間に10mm-25mmの涙がろ紙片を伝っていきます。主にドライアイの診断や経過を診る目的で使用します。

眼圧測定

眼の固さ(眼内圧)を測定する検査です。正常の場合10-25mmHgですが、緑内障の時には眼圧があがり、眼内の炎症(ブドウ膜炎)の時には眼圧は低下します。当院では点眼麻酔を必要としない手持ちの眼圧計を用いて眼圧を測定することができます。
スパニエル種、レトリーバー種、テリア種や柴犬は緑内障を起こしやすい犬種なので、特に定期的な眼圧のチェックをおすすめします。

散瞳検査

散瞳剤を使用して瞳孔を開かせた状態で行う検査です。水晶体の濁りの観察や眼の内部を観察する際に行います。散瞳剤は点眼後30分程度で瞳孔が開き、通常6-8時間散瞳効果は持続します。

超音波検査

眼の内部を観察するための検査です。網膜疾患や眼内の腫瘍の診断に用います。特に前眼部が出血や白内障などのため眼の奥の観察が困難な場合に有効です。

眼底検査(簡易眼底検査)

眼の一番奥にある網膜や視神経乳頭の異常を観察するための検査です。

症例

  • ドライアイ

    <症状>
    粘度の高い眼脂(目ヤニ)が出てくる・角膜の光沢がなくなってきた・いつも白眼が充血している・寝ている時に眼を完全に閉じない などの症状があります。
    <検査>
    シルマーティアテスト(STT)と呼ばれるろ紙を瞼の下に入れる検査で涙液量を測定します。
    角膜表面を涙膜がしっかり保護しているかを診るためには、フルオルセインと呼ばれる黄色い液体を眼にたらして角膜表面から染色液が何秒で除去されるかをみる検査(涙膜破壊時間TBUT)を行います。
    <治療>
    原因によって治療法と予後は変わりますが、軽度であれば涙液成分の補充と角膜保護用点眼液で治療します。重度な場合にはステロイドや免疫抑制剤を使用します。長期の点眼治療が必要な場合が多いです。

  • 角膜潰瘍

    角膜に傷が付いてしまうことにより起こります。傷が小さく感染もなければ自然と傷口が治る場合もありますが、状況によっては角膜が溶けて潰瘍が悪化したり、角膜に穴が開いてしまう可能性があります。角膜が穿孔すると眼内容物が眼の外に出てしまい、失明する可能性が高くなるので、例え小さな傷であってもなるべく早期に受診することをおすすめしています。
    元々角膜になんらかの異常がある場合には悪化しやすく、治癒も遅くなるので注意が必要です。
    <症状>
    角膜は知覚神経が集中しているので、小さな傷でも痛みを伴います。突然、涙や目脂が多く出て眼をしょぼつかせたり、気にして掻こうとしたりします。痛みが強い場合には頭部に手を近づけると攻撃的になったりします。
    <検査>
    フルオルセインと呼ばれる黄色い染色液を眼にたらします。眼に傷がある場合にはその部分が染色されます。
    <治療法>
    原因や潰瘍の深さによって異なりますが、傷口が浅い場合には角膜保護剤や抗生物質の点眼で治療します。傷口が深い場合には自己血清点眼と呼ばれる自分の血液から作成する点眼液やコンタクトレンズによる保護を併用します。
    さらに重篤な場合や点眼液による治療では改善が認められない場合には、結膜フラップや角膜縫合などの手術が必要になります。どの治療法でも眼をかいたり、こすったりすると悪化するのでエリザベスカラーの装着が必要です。

  • 白内障(成熟白内障症例)

    カメラの「レンズ」に相当する水晶体が濁ってしまった状態です。進行すると視覚障害を起こします。高齢になると発生すると思われがちですが、遺伝や外傷、糖尿病などによって若いうちに発生する場合もあります。白内障はものが見えなくなるばかりではなく、水晶体の厚さが変化することにより、水晶体脱臼や網膜剥離を起こしやすくなります。重度になると水晶体内のタンパク質が水晶体の外に流れ出てしまい、ブドウ膜炎を起こしたり、炎症産物が原因となって緑内障になったりする可能性があります。
    <症状>
    写真のように瞳の中が白くなることによって気付くことが多いです。また水晶体の濁りによって視覚障害を起こす可能性があります。
    ~視覚障害の症状~
    物にぶつかる・動きたがらない・フードを置いても気付かないまたは鼻で探るように近づく・飼い主様とアイコンタクトがとれない・表情がなくなるなどの症状が出ます。
    <検査>
    拡大鏡を使い水晶体の混濁の程度を評価します。水晶体を十分観察するには、散瞳剤を用いた散瞳検査が必要な場合もあります。
    <治療法>
    一度混濁してしまった水晶体を元に戻す方法は現在のところありません。唯一の根本的な治療法は手術で混濁した水晶体内容物を除去して人工レンズを挿入する方法です。混濁が軽度であれば、点眼液や抗酸化サプリメントなどで進行を抑える方法をとります。手術を行わない場合でも、進行した白内障ではブドウ膜炎などの合併症が起こる可能性があるので、継続的な炎症止めの点眼や定期的な眼圧のチェックが必要です。

    ※白内障手術をご希望の場合は、専門病院や大学など二次診療施設をご紹介いたします。診察の際に獣医師へご相談ください。
    ※全ての患者様に手術が適応できるわけではありませんのでご注意ください。
    ※手術をしても定期的な眼のチェックと続発症を予防するために継続的な点眼治療が必要になります。

  • 緑内障

    眼の中では常に眼房水という液体の産生と排泄をバランスよく行っています。緑内障とは何らかの原因により眼房水の排泄が出来なくなり、眼の圧力(眼圧)が高くなってしまった状態です。写真のように白目の部分の強い充血と眼の痛みを伴います。眼圧が高い状態が続くと視神経を圧迫し失明にいたります。また眼球も大きくなり(牛眼)、瞬きが出来なくなることにより、眼の表面が乾燥して慢性的な角膜の炎症を起こします。
    <原因>
    眼房水は虹彩の裏側にある毛様体から産生され、瞳孔を経由して前房に移動し、虹彩辺縁の隅角にある隙間を通って眼の外に排泄されます。眼房水の排泄経路のどこかで閉塞が起こると、眼内に眼房水が過剰に貯留して眼圧があがります。
    原発緑内障:先天的な隅角異常に伴い発症します。アメリカンコッカースパニエルや柴犬、トイプードル、シーズー、マルチーズなどが罹患しやすいです。
    続発緑内障:網膜剥離、白内障、水晶体脱臼やブドウ膜炎などの眼内炎症により発症する緑内障を指します。
    <検査>
    緑内障の診断には眼圧測定を用います。眼圧検査にて眼圧の上昇が認められれば、緑内障と診断します。また隅角検査を行い、隅角状態を確認します。視神経の圧迫の有無を確認するために眼底検査も実施します。
    <治療法>
    緑内障の治療は内科的治療と手術による外科的治療があります。
    内科的治療は、点眼薬や飲み薬または注射などによって眼房水が作られるのを防いだり、房水の排泄を促すことで行います。

    外科的治療は、レーザーや薬を使って毛様体などを破壊して眼房水を作れないようにしたり、インプラントと呼ばれる管を眼の中に挿入してそこから眼房水を眼外に排泄させたりします。視覚がなくなってしまった場合には最終的に眼球を摘出したり、眼球内にシリコンボールを入れる(シリコン義眼)手術が必要になる場合があります。

    ※緑内障の外科的治療は現在のところ当院では実施していません。
     手術をご希望の方へは専門病院や大学など二次診療施設をご紹介いたします。診察の際に獣医師へご相談ください。

対応病院はこちら

相模原プリモ動物医療センター
第2病院

住所
神奈川県相模原市中央区中央4-14-10
電話番号
042-851-3761

厚木プリモ動物病院

住所
神奈川県厚木市妻田北2-14-8
電話番号
046-259-7322
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