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2026年3月4日
予防・健康管理

犬・猫のレントゲン検査で何がわかる?仕組み・安全性・検査が必要なケースを解説

ペットが足を痛がったり、体調不良で動物病院へ連れて行った際に、
「レントゲンを撮って調べてみましょう」
と言われたことがある飼い主さんも多いのではないでしょうか。

このように、動物も人と同じようにレントゲン検査を行うことがあります。
では、レントゲン検査を行うことで、いったいどのようなことが分かるのでしょうか。
今回は、ペットのレントゲン検査について分かりやすくお話しします。

レントゲン検査の仕組み

X(エックス)線は放射線の一種で、体を通過しやすい性質があります。
ただし、その通過のしやすさは、体の厚みや臓器の比重によって異なります。
X線が多く当たった部分と少なかった部分では、フィルムの感光度(黒くなる度合い)が変わるため、体の内部構造が画像として映し出されます。この仕組みから、レントゲン検査は「X線検査(レントゲン写真・X線写真)」とも呼ばれています。

レントゲンではどのように写るの?

レントゲン検査では、
・X線を通しやすい部分ほど黒く
・通しにくい部分ほど白く
写ります。

具体的には、X線を通しやすい空気がたくさんある部分が最も黒くなり、
脂肪→水→筋肉→骨の順番でX線が通りにくくなるため、白く写ります。

たとえば、金属や石などを飲み込んでしまった場合、これらはX線をほとんど通さないため、フィルム上では真っ白に写ります。
胸部のレントゲンでは、空気を多く含む肺が黒っぽく写り、その中央に白っぽい心臓が確認できます。

また、腹部のレントゲンでは、全体的に白っぽくもやもやとした中に、脂肪に包まれた腎臓、腸の中のガス、尿(水)が溜まった膀胱などを確認することができます。
基本的に臓器はシルエットとして写るため、中身が液体なのか固体なのかまでは分かりにくい場合が多いですが、膀胱結石など、X線をはっきり遮るものがある場合は確認できます。

レントゲン検査が必要になるケース

レントゲン検査は、臓器や骨などの位置・大きさ・形の変化を確認する際に行われます。主に、次のような場合に用いられます。
・骨折、脱臼、関節炎などの骨の病気が疑われるとき
・誤食・誤飲など、体内に異物が入っている可能性があるとき
・肺炎や気管支炎など、呼吸器疾患の状態を確認したいとき
・心臓が大きくなっていないか、形に異常がないか調べるとき
・膀胱結石や腎臓結石が疑われるとき
・肝臓や腎臓など、腹部臓器の腫大や変形を確認したいとき
・出産前に胎児の大きさや数を確認するとき
・歯科治療を行うとき

また、胃や腸の状態を調べるバリウム検査や、血管の走行を確認する血管造影検査も、レントゲン検査の一種です。

造影検査とは?

造影検査とは、消化管や血管に造影剤と呼ばれる物質を入れて、臓器の輪郭や動きを見やすくするレントゲン検査の一つです。

たとえば、胃の中に大きな腫瘍がある場合、通常のレントゲンでは胃内部の凹凸までは確認できません。
しかし、バリウム造影剤を飲んで撮影すると、白く写るバリウムが腫瘍の部分を避けて流れるため、胃の内部構造を把握することができます。また、腸管も通常は見えにくい臓器ですが、バリウムの動きに合わせて何枚も撮影することによって、そのつながりや流れを見ることができます。

レントゲン検査には多少の我慢が必要

レントゲン検査は写真撮影と同じように、撮影の瞬間に体が動いてしまうと、画像がぶれてしまいます。
検査の際には、
・仰向けや横向きになってもらう
・手足を伸ばした姿勢を保つ
といった体勢をとってもらうことがあります。
そのため、じっとするのが難しいペットや、強く抵抗してしまう場合には、検査が難しいこともあります。

レントゲンの安全性

X線は放射線の一種のため、レントゲン室の壁は放射線を通さない構造になっています。
検査時は、放射線を防ぐ特殊なガウンを着用したスタッフがペットに付き添い、飼い主さんは基本的にレントゲン室の外でお待ちいただきます。

ただし、ペットの検査に使用されるX線量は非常に微量であり、数枚撮影することに対して過度に心配する必要はありません。

私たちは日常生活でも、宇宙や自然界から放射線を浴びていますが、ペットの胸部レントゲン撮影では、自然界で1年間浴びる量のおよそ1/50ともいわれています。

まとめ

レントゲン検査は、緊張しやすいペットにとって多少の負担がかかる検査ではありますが、病気の発見や経過観察に欠かせない、とても重要な検査です。ペットの負担を減らし、健康を守るためにも、健康診断などを通して、普段から診療や検査に慣れておくことが大切ですね

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