Column コラム
犬や猫が食べると危険!ペットに有害な観葉植物と安全な植物の見分け方
観葉植物はインテリアとしてだけでなく、癒しや空気清浄の効果があることから人気が続いています。
しかし、その植物がペットにとっては危険な場合があることをご存じでしょうか?
観葉植物の中には、食べたり茎の汁に触れたりすることで中毒を起こす種類が多く存在します。
今回は、ペットのいるご家庭で注意が必要な観葉植物と安全な植物についてご紹介します。
危険な観葉植物の種類
代表的な観葉植物の中にも、犬や猫が口にすると中毒を起こすものがあります。
たとえば、ポトス・モンステラ・スパティフィラム・アンスリウム・カラジウムなどのサトイモ科の植物です。
これらの葉や茎、根には「シュウ酸カルシウム」という針のように尖った結晶が含まれており、口にすると粘膜を刺激してよだれ・口の痛み・口内炎などを引き起こします。

他にも、
・アロエ、アイビー、ドラセナ:サポニンという成分により、下痢や嘔吐を起こすことがあります。
・アデニウム:アルカロイドという成分が含まれ、呼吸麻痺を引き起こすことがあります。
・カランコエ:心臓に作用するブファジエノリドという成分を含み、心臓麻痺の危険があります。
・ポインセチア:ホルボールエステル類という成分により、嘔吐・下痢・皮膚炎を起こすことがあります。

このように、見た目が美しい植物ほど注意が必要なことがあります。
観葉植物以外の植物も要注意
観葉植物だけでなく、鉢植えや切り花にも有害な植物があります。
・グラジオラス、クロッカス(アヤメ科):イリジンなどの有害物質を含み、食べると胃腸炎を起こします。
・クリスマスローズ:嘔吐・下痢・血圧低下などの中毒症状を起こすことがあります。
・アマリリス、スイセン(ヒガンバナ科):リコリンという強い毒を持ち、大量摂取で命に関わることもあります。
・ユリ、スズラン、チューリップ、アジサイなど:きれいな花も食べると毒となる植物です。


特にユリ科の植物は猫にとって致命的な中毒を起こすことがあり、花粉をなめるだけでも危険です。
猫のいるご家庭では、飾らないようにしましょう。
安全な観葉植物は?
すべての植物が危険というわけではありません。次のような植物は、犬や猫が少しかじっても比較的安全といわれています。
・パキラ(アオイ科)
・ペペロミア(コショウ科)
・ベンジャミン、ガジュマル(クワ科)
・オリーブ(モクセイ科)
・アジアンタム(イノモトソウ科)
・カモミール(キク科)
・キャットニップ(シソ科)
・テーブルヤシ(ヤシ科)
・サンスベリア、ユッカ(リュウゼツラン科)


※「安全」とされる植物でも、かじりすぎるとお腹をこわすことがあります。注意しましょう。
ペットが観葉植物をかじらないようにする工夫
犬や猫が観葉植物をかじるのには、いくつかの理由があります。
行動の原因を理解して対策を取ると、植物へのいたずらを防げる場合があります。
【土を触れないようにする】
犬や猫は、植物よりも鉢の土に興味を持つことがあります。
土の上に板やネットをかぶせてふたをすることで、近づく回数を減らせます。
【安全な代わりの植物(猫草)を用意する】
毛玉を吐きたいときやミネラルが不足しているときなどに、植物を食べたがることがあります。
安全な「猫草(麦の若芽など)」を用意して、代わりにかじれるようにしておくとよいでしょう。
【葉が揺れないようにする】
風やエアコンの風で葉が揺れると、猫の狩猟本能が刺激され、飛びついてかじることがあります。
空気の流れが少ない場所に鉢を移動させるだけでも、かじる行動を防ぐ効果があります。
それでも危険な場合は、ペットの入れない部屋に移動させるか、ハンギングバスケットに吊るすなどして、ペットが届かない場所に置きましょう。

おわりに
猫をはじめとするペットは、人とは違い、植物に含まれる毒をうまく分解できないことがあります。
食べると中毒を起こす植物は数百種類にもおよぶといわれており、食べた植物の種類や量によっては命に関わることもあります。
もし観葉植物をかじってしまい、嘔吐・元気がない・よだれが多いなどの症状が見られた場合は、
すぐに動物病院へ連絡し、かじった植物の名前を伝えましょう。
安全な環境を整えて、植物もペットも安心して過ごせるおうち時間を作ってあげてくださいね。
