Column コラム
犬や猫の歩き方がおかしい?考えられる原因と受診の目安
散歩中や家で遊んでいるときなどに「あれ?歩き方がおかしいかな?」と思ったことはありませんか?
犬や猫の歩き方がおかしくなる原因はさまざまです。足や関節の病気だけでなく、筋肉や神経、背骨などの異常が原因となっている場合もあります。
今回は、犬や猫の歩き方がおかしいときに、どのようなことを確認したらよいのか、また、考えられる主な原因についてお話しします。
日常生活の中で起こるもの
● 日常生活でのケガ
お散歩中に植物のトゲや折れた木の枝、割れたガラス、落ちている金属の破片などを踏んで、足をケガすることがあります。また、伸びすぎた爪を歩いているときに傷めてしまうこともあります。
まれに、足の指にダニがついて吸血し、腫れや痛みが出ることで、歩き方がおかしくなることもあります。このような場合は、爪・指の間・肉球・足の裏などを順番に確認してみましょう。毛をかき分けながら、傷や腫れ、異物などがないか、ていねいに確認することが大切です。
室内で過ごす猫の場合も、家の中に落ちていたものを踏んでしまったり、爪が伸びすぎて肉球に刺さってしまったりすることがあります。特に長毛の子は、狼爪(前足の内側にある爪)が伸びていても毛に隠れて気づきにくいことがあります。爪が伸びすぎないよう、定期的に確認しましょう。
治療は、傷の状態によって消毒などで済む場合もあれば、異物の除去や止血などの処置が必要になる場合もあります。小さな傷に見えても、傷口から細菌が入り、化膿してしまうことがあります。足を気にしている様子が続く場合は、動物病院を受診しましょう。
● 遊んでいるときや運動中のケガ
高いところから飛び降りる、ジャンプする、急に走り出すなどの後に、歩き方がおかしくなることがあります。このような場合には、捻挫、関節の靭帯や軟骨の損傷、靭帯の断裂、骨折、脱臼などが考えられます。これらは痛みを伴うことが多く、足を地面につけたがらなくなることもあります。
運動後に急に歩き方がおかしくなった場合や、強く痛がっている場合は、無理に歩かせたり運動させたりせず、早めに動物病院を受診してください。
● 生まれつきの病気や成長に伴う異常
犬や猫の中には、生まれつきの骨や関節の異常などが原因で、歩き方に変化が出ることがあります。小型犬では膝蓋骨脱臼(パテラ)、成長期に発生する大腿骨頭壊死症(レッグ・カルベ・ペルテス病)、大型犬では股関節形成不全などがみられます。病気によって治療方法や経過は異なりますが、早期に発見することで、症状の悪化を防いだり、痛みを軽減したりできる場合があります。
● 食事によるもの
栄養バランスの偏りによって、骨や関節に問題が起こることもあります。特に成長期の犬や猫では、カルシウムやリンなどの栄養バランスが重要です。栄養不足や偏りによって、くる病や骨軟化症などが起こる場合があります。また、肥満によって足や関節に負担がかかり、歩き方がおかしくなることもあります。ご飯やおやつを欲しがるからといって、好きなものをお腹いっぱいになるまで与えてしまうのはおすすめできません。運動量や体質、避妊・去勢の有無などによって、同じ量の食事を食べていても太りやすさは異なります。愛犬・愛猫にとって適切な食事量を知り、適正体重を維持することが大切です。
ビタミンA過剰症でも四肢の関節が腫れ、歩行に異常が出る場合があります。年齢や体格、持病などに合わせたフードについて、獣医師に相談してみましょう。
歩行異常はさまざまな病気で発生する
歩き方がおかしい場合、足そのものに問題があるとは限りません。筋肉・神経・背骨(頚椎・胸椎・腰椎)などに異常がある場合にも、歩き方に変化が出ることがあります。
例えば、筋肉の炎症や神経の病気、椎間板ヘルニア、変形性脊椎症などが原因となることがあります。
また、全身性エリテマトーデス(紅斑性狼瘡)という自己免疫疾患でも、発熱・関節炎・皮膚や粘膜の炎症・リンパ節の腫れなどにより、歩き方に異常が出ることがあります。さらに、腎臓病・肝臓病・心臓病などの内臓の病気が進行すると、体力の低下などによって歩き方に変化が出ることもあります。

まとめ
人間でも、体調が悪いと歩き方がふらつくなどの症状が出ることがありますが、動物も同じです。
いつもと違う歩き方には、何らかの原因が隠れていることがあります。様子を見続けるのではなく、病気やけがの可能性も考え、気になる場合は早めに動物病院を受診しましょう。
