Column

2026年2月10日
予防・健康管理

ペットのたばこ中毒に注意|誤食しやすい身近なものと対処法

“ポトリと床に落としたタバコを、ペットが食べてしまった…。”
そんな場面を想像すると、思わずドキッとしてしまいますよね。

「すぐに吐かせたほうがいい?」「何か飲ませたほうがいい?」
「どうしたらいいの!?」と、飼い主さんがパニックになりやすいのが誤飲・誤食事故です。

今回は、特に注意が必要な「タバコ中毒」を中心に、家庭内に潜む誤飲・誤食の危険性について解説します。

タバコ中毒とは

タバコ中毒とは、ペットがニコチンを誤って体内に取り込むことで起こる中毒です。
現実的には考えにくいですが、仮にペットがタバコの煙を吸ったとしても、吸収されるニコチン量はごくわずか(0.5〜2mg程度)です。
しかし、タバコそのものを食べてしまった場合は、含まれるニコチンがほぼすべて体内に吸収されるため、中毒の危険性が高まります。
特に子犬は、目に入るものを噛んで確かめる習性があるため、タバコ誤飲のリスクが高いといえます。

タバコ製品には、以下のように多量のニコチンが含まれています。
・紙巻きタバコ:0.1〜30mg
・葉巻:15〜40mg
・噛みタバコ:6〜8mg/g
・ニコチンガム:2〜4mg
・ニコチンパッチ:8.3〜114mg

また、吸い殻にも全体の約25%のニコチンが残っているため、吸い殻でも油断はできません。

危険な摂取量の目安

犬のニコチン中毒量は、「20〜100mg(約11mg/kg)」とされています。
例えば、体重4.5kgの犬では、
タバコ2〜4本程度の誤飲で中毒症状が出る可能性があります。

ちなみに、人の乳幼児では
「タバコ約0.5〜1本(10〜20mg)」が致死量とされており、ニコチンの危険性は非常に高いことが分かります。

タバコ中毒の症状

多くの場合、誤飲後15〜45分以内に症状が現れます。
主な症状は、
・興奮状態
・ふるえ
・聴覚障害など です。

実際には、タバコを誤飲しても、強い胃の刺激や脳への反射によって自然に嘔吐するケースが多く
重篤な状態に発展することはそう多くありません。
基本的にニコチンは胃からは吸収されず(胃内のpHではニコチンの溶出が遅れ吸収されにくいため)、胃を通過し、
小腸に至ると急激に吸収が進みます。
そのため、胃の段階で吐くことは、生命を守るためには必要な反応といえます。

ただし注意が必要なのが、タバコの浸出液です。
タバコを水に浸すと、1時間で50〜70%のニコチンが溶け出し、吸収が早まります。
この液体を飲んでしまった場合、重篤な症状が出る可能性があります。

誤飲直後であれば、吐かせることで体への吸収を防げる場合もありますが、ご自宅で無理に吐かせることは危険です。
特に牛乳などを飲ませると、かえって小腸へ流してしまう恐れがあるため、早めに動物病院へ相談してください。

誤飲後4時間以上経過しても症状がなければ、重篤化の可能性は低いとされますが、
誤飲が分かった時点で、できるだけ早く動物病院へ相談することが大切です。

タバコ以外にも注意が必要な誤飲・誤食

●人用の薬(アスピリンなど)
人間用の内服薬がペットに有害となることもあります。
アスピリンやアセトアミノフェンなどを主成分としたOTC薬(薬局等で一般的に購入できる薬)は、ペットにとっては「毒」になるものが多くあります。

●家庭用洗剤
洗剤は酸性・アルカリ性成分を含み、原液を誤飲すると口や食道、そして胃がひどくただれます。
酸性洗浄剤であれば直後に症状が現れますが、アルカリ性洗浄剤は8~12時間後まで症状が現れないため、注意が必要です。
無理に吐かせるとさらなる症状が発生する危険性があります。

●防虫剤
防虫剤(ナフタレン)を誤飲すると、嘔吐、貧血、元気消失、発作などの症状が出ることがあります。
防虫剤を誤飲したら出来るだけ早く洗い流す必要があります。

●チョコレート
チョコレートに含まれる成分(テオブロミン)は、犬にとって有害です。
人はこのテオブロミンを効率的に排除できますが、犬はテオブロミンの半減期が長く(17.5時間)体内から素早く排除できないことが原因です。
そのためチョコレートを犬が何度も食べると、「蓄積効果」によって遅かれ早かれトラブルに発展する可能性があります。

●玉ねぎ
玉ねぎに含まれる成分(アリルプロピルジスルフィド)が、犬にとって毒性があり貧血を起こすことがあります。
しかし、犬が「大きな玉ねぎ」を最低1個以上(玉ねぎ5~10g/kg以上)食べると問題となるかもしれませんが、少量であれば食べても問題ないことが多いです。
とはいえ個体差があるため、玉ねぎに限らずユリ科(ネギ、ニラ、ニンニク、アスパラガス、ラッキョウ)の食物は犬に与えない方が安全です。

まとめ

誤飲・誤食は、ペットの命に関わる事故につながる可能性があります。
タバコをはじめ、薬、洗剤、食品などは、ペットの届かない場所に保管することが何より大切です。

「もしかして食べたかも?」と気付いたら、自己判断せず、早めに動物病院へ相談しましょう。

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