Column

2025年12月26日
犬と猫の病気

ペットが吐いてしまったときの対処法

犬や猫は、人と比べて吐くことが多い動物です。これは、胃と食道が地面と平行にあることが関係しており、少し食べすぎたり、胸やけを起こしただけでも吐いてしまうことがあります。人でいえば「お腹が少し緩くなった」ようなものなので、1〜2回で治まるようであれば、過度に心配する必要はありません。しかし、吐き気が続く場合や元気がないときは注意が必要です。
今回は、嘔吐が止まらないときに飼い主さんができる応急処置の方法をお話しします。

吐いたときのペットの状態

ペットが吐いているのを見かけたら、その後の様子をよく観察しましょう。
●ぐったりしている
●喉に何かがつかえていて、さらに吐きそうにしている
●背中を丸めてうずくまっている
●呼吸が荒い(ハアハアしている)

こうした様子が見られた場合は、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
診察時には、これらの症状をできるだけ正確に伝えることが大切です。

吐いたものを確認

食べてすぐに吐いた場合は、未消化のフードがそのまま出てくることが多いです。しかし、おもちゃのかけら・布・ビニール袋の破片などが混ざっている場合は、異物による胃炎や腸閉塞を起こしている可能性もあります。また、道に生えている草や人の食べ物など、普段と違うものを食べていた場合は、中毒を起こしている可能性もあります。

吐いたものに血が混ざっているときは、胃や食道からの出血が疑われます。
血液は胃液と混ざると黒っぽく見えることもあるため、できれば吐いたものをビニール袋などに入れて持参し、動物病院で見てもらうと安心です。

飼い主さんがおうちでできること

吐いたのが一度きりで、その後も元気にしている場合は、少し様子を見ても大丈夫です。
その際に大切なのは、安静にして胃腸を休ませることです。

ペットが落ち着ける静かで温かい場所を用意し、半日ほど絶食・絶水にします。
その間に嘔吐が続かないかを確認しましょう。

それ以降吐くことがなければ、いつものフードをお湯でふやかして少しずつ与え、徐々にいつものフードに戻します。
お水は冷たいものより、常温の水を少量ずつ与えるようにしましょう。

まとめ

動物病院に連れて行く前に、電話で
●いつから吐いているか
●何回くらい吐いたか
●どんなものを吐いたか
状況や様子をまとめておくと診療の助けになります。
また、吐く前に食べたものと、食べた時間もチェックしておきましょう

病院へ行くときは、縦方向に抱っこをしていると、途中で吐いてしまった時に誤嚥(吐いたものを気管に詰まらせてしまうこと)を起こす可能性もあるので、できるだけクレートやキャリーバックに入れて伏せた状態で移動させましょう。

ペットが突然吐く姿を見ると、慌ててしまうのは自然なことです。まずは飼い主さんが落ち着いてペットの様子を観察し、必要に応じて動物病院に相談するようにしましょう。

PAGE TOP